りんぶるのザレイズ気がむいたらね

思いたった時に書きたいことを書いて去るだけのブログです。ゆっくり暇をつぶしていってね。

エターニアオーディオドラマ感想

こんにちは!

今回はテイルズオブリーディングライブ エターニア編公開に合わせて発売されたオリジナルオーディオドラマ、波の上のプレリュードについて語ります!


ザレイズ以外の記事書くのいつぶりだろうなあ……数年前のテイオケレポしか記憶にない



これです。台本読むだけなら無料。聴くなら各700円




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キャラ紹介下のリンクから台本のpdfファイルをダウンロードできるよ




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リーディングライブそのものもめちゃくちゃよかったんだけど、購入もアーカイブ配信も終わっちゃった……安心と信頼の原作シナリオライター(名取佐和子さん)執筆でした

今年の夏デジタルで販売予定らしいから気になる人はそれまで待って


今回語る波の上のプレリュードは、リーディングライブ本編直前のパーティーメンバーそれぞれの心情を描いた物語ですね。

原作の各キャラの掘り下げがかなりされていて、どのお話も単品でも十二分に楽しめるようになってます。


リーディングライブ1時間ちょい+制作秘話満載のトークコーナー&スキット実演2時間と6話全部で1時間半ぐらいあるオーディオドラマ、ボリューム満点なのでエターニアが好きで興味があるならおすすめしまくってしまう


オーディオドラマに関して不満があるとすれば、アソビストアの購入→購入履歴→注文明細からダウンロード→ダウンロードしたzipファイルをセルフで解凍→そしてセルフでファイルを選択して視聴の流れがマジのガチでわかり辛かったことぐらい。

情弱かつ機械オンチなので真面目に心が折れかけた



それではさっそく各話の感想。タイトルタップで折りたたみが開くよ↓

リッド編〜背中合わせに見る空は〜

「あ、リッド。⼀番好きな料理ってなんだったっけ?」

「さっき船内ですれ違いざまに、ファラに聞かれた。
オムレツって⾆の先まで出かかったけど、オレはのみこんだ」

「…… 別に、なんでもいいよ。腹に⼊れば、なんでもうまいからな」

開 幕 す れ 違 い


そう……ここから繋がるリーディングライブの物語は、レグルスの丘で色々あった後なんとなくピリピリして噛み合わなかったパーティーメンバーの心が、もう一度ひとつになるまでのお話。


つまりリッド編のリッドさんとファラちゃんは、まだぎこちない関係なんですよ。歯がゆい……歯がゆすぎる……

「⾔っとくけど、さっきオレがファラの質問に答えそびれたのも、ファラがファラらしくないせいだからな。
今、オムレツって⾔ったら、ファラのヤツ、決戦準備を⼆の次にして、オムレツの⾷材調達のために、ティンシアの町を⾛りまわりかねないって思ったから……」


レグルスの丘で自分の罪を告白したファラちゃんはどこか遠慮がちで無理な気遣いをしていて、リッドさんもリッドさんでそんなファラちゃんに対して深く踏み込めない。

ああああぁもどかしいなあ…………でも我々はことの行く末を見守ることしかできない……

⽬をつぶると、レイスの顔が浮かんだ。レイスなら……レイスが⽣きてたら、今のあきらかに不⾃然なファラに、なんて声をかけたんだろうなって、考えてしまう


リッド編のリッドさんはレイスのことをめちゃくちゃ持ち上げるし自分のことをめちゃくちゃ下げるんですよ。待ってくれまだ帰らないで欲しい

これはね……別に往年のテイルズによくあるスタッフのお気に入り持ち上げ現象じゃないんです……リッドさんの中で当たり前に起きうる現象なんですよ……


おさらいなんですけど、テイルズオブエターニアにおいて真の極光術を扱う資質を持つのは、主人公であるリッドさんと途中退場したレイスの2人だけですよね。

だから極光術をたずさえて決戦に挑もうとしているリッドさんが自分との比較対象にするのは、必然的にレイスになるんです。


そしてもう一つ大事なこと言うんですけど、リッドさんはレイスの欠点をほとんど見ていないんです。


ファラちゃんがバロールで商人を怒らせちゃったのを助けてくれた時、大晶霊探しを手伝ってくれた時、ファロース山でファラちゃんを助けてくれた時、山頂で元老騎士として立ちはだかった時、そしてバリル城でリッドさん達をかばってくれた時。

リッドさん達とレイスの接点なんてこのぐらいしかないんですよ。


この中でレイスがリッドさんに見せた欠点なんて、えびのしっぽが好きとかいうゲテモノ趣味(※リッドハーシェルの感想です)と、元老騎士としてずっとリッドさん達のことを騙していたことぐらいしかないんです。

だからリッドさんから見たレイスってほぼほぼ完璧超人なんですよ。


だってさあ……自分より顔が良くて、自分より頭も良くて、自分より物知りで、自分よりいい身分で、自分より剣の腕が立って、そして自分よりファラちゃんの素顔を引き出せる人物だったんですよ?

そりゃ自分をただの猟師だと思ってるリッドさんは卑屈になるって……


リーディングライブおよびオーディオドラマではレイス自身の過去や心情っていうのは語られないので、彼の欠点とか弱い面が出てこないだけなんですよね。


ちなみにドラマCD版エターニアではセイファートの導きがないとどこにも行けないぐらい病んでるレイスや親友に地雷踏まれて声を荒げるレイスやゴミみてえな性格の騎士をカッとなって斬り殺すレイスが登場します。ストーリーとか原作と違う場所もあるけど気になる方はぜひどうぞ


レイスと話している時は自分が見たこともない顔をするファラちゃんを見ていたリッドさんは、レイスがいなくなった後、レイスの代わりに「ファラがファラらしくいるために必要」な席に座るのが自分なんかでいいのかって悩んでるんですよね。


次元の外側から見守っている我々からしたらその席に座れるのはお前しかいねえからはよ座ってシートベルト締めろって話なんですけど、どうしても自信が持てないリッドさんの気持ちもめっちゃわかる


リッド編の後半では、ラシュアンの惨劇の後の思い出が語られます。


壊滅的な被害を受けたラシュアン村の生き残り達はみんな自分が明日を生きるのに精一杯で、惨劇の元凶であるリッドさんやファラちゃんの面倒なんか見る暇も義理もなかった。やっぱそうだよなあ……

キールくんに対して被害が最小限で本当に良かったと思ってたり、引っ越し後の性格が充実していたであろうことを察してうらやましく思ったりしてるのがなんとも切ねえ


リッドさんは自分のことよりもファラちゃんのことが心配で、時々様子を見に行っていました。

村長の娘としてなんでも人に世話してもらっていたファラちゃんがいきなり孤児生活なんてそりゃあ心配だったろうな……

「壁と屋根に⼤きな⽳のあいた家の中でアイツ、藁にくるまってボロ雑⼱みたいに眠ってた……
なんでこんなことになっちまったのかと、涙が出たよ。
毎⽇⽣きのびるのに精⼀杯すぎて、村の⼈にどんな嫌みを⾔われても、⽗さんの葬儀でも泣けなかったオレが、ボロボロ泣いちまった」

「あの時、思ったんだ。オレもファラも幸せになんなきゃウソだって。
誰がなんと⾔おうと、全部ひっくるめて最後に笑ってやろうって」


1回オープニング見てきていい?




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あの……発売から20年以上経った主人公の笑顔に価値を上乗せするのやめてもらえませんか……いやありがとうございます感謝してます、ただちょっと供給が一気に来すぎて受け止めきれてないだけです



リッドさんは普段特に修行とかしてないのに道場通いのファラちゃんを相手にして一度も負けたことがないチートスペック猟師なんですけど、実は幼いころファラちゃんのぶんの獲物も取れるように寝る時間を削って必死に鍛錬していたことが明かされます。原作でやれや(発狂)!!


いつからだ?いつから大切な人を守るためだったら人はいくらでも強くなれるを実行していた?

リッド・ハーシェルテイルズオブエターニアの主人公で良かったってこのオーディオドラマで何度思ったかわかんねえよ……この人の主人公力はどこまで伸びていくんだ……

フィブリルか……
これをありがたいとか嬉しいとか思ったことは、悪いけど⼀度もねぇよ。極光だかなんだか知らねぇけど、世界存続の責任を負う⼒なんて、欲しいヤツいるのか︖
荷が重すぎて肩がイカれちまう。


こういうところがリッドさんだよな……オレが世界を救うんだ!!って勇気や意欲に溢れた人間じゃなくて、怖いし荷が重いからできることなら他のもっと適任な人にお願いしますって感じの普通の人なんだよ……なおもっと適任な人は自分達をかばって死んだ模様


世界を救うために自分がやるしか選択肢がなくて、でもそんなことよりまず目の前の仲間達に前を向いてほしくてセイファートの試練に挑むリッドさんがマジ保護者で泣けてきます。

覚悟を決めて落ち着いた様子でいるように見えるけど、心の中では怖くて仕方なかったという告白が彼が普通の青年にすぎないことを思い出させてくれますね。

ていうかリッドさんラシュアンの惨劇の前からわりとお化け怖かったんですか……あなたもしや怖がりですね?怖がりなのにあんなに頑張ってたんですね……?


リッドさんはここでも自分の中のイマジナリーレイスを引き合いに出して「平気な顔でサラリと試練を乗り越えたんだろうな」なんて言ってます。なおドラマCD版エターニアで明かされたレイスの試練の様子は……


もう少し2人がちゃんと話せる時間があれば、リッドさんの中のレイス像も変わったんだろうなと思います。

そういうifが気になる方はザレイズの神イベ山車だ!花火だ!熱狂の夏祭りを何卒よろしくお願いします

「その時、バンエルティア号の甲板で話してるファラとガレノスの会話が聞こえてきたんだ。
レイスのことを話してた。ファラがまっすぐに"レイスの死を無駄にしたくない"って⾔ってて、オレ、恥ずかしくなった。
それでやっと…… 腹が決まったんだ。
何が起こっても、セイファートの試練を受けてやるって」


リッドさんの後ろ向きな気持ちを前向きにしてくれるのはいつだってファラちゃんなんだなあ……

レイスが命をかけて守ってくれたのに自分がウジウジしてたら格好がつかないって気持ちもあったんだろうなあと思います。リーディングライブで言ってた「レイスへの意地」ってやつ


リッドさんは生まれつき運動神経抜群で要領が良くて、学はないけど頭はよく回るほんとにすごい人だけど、そんなリッドさんは何もないところから努力して成功できるファラちゃんやキールくんのほうがすごいと思っていて、そして自分以上になんでもできるレイスへの劣等感があった。


それでも、ファラちゃんや仲間達のために自分が今できることをとにかくやろうと決めて、怖がりながらも余裕の表情を見せて頑張るリッドさんはほんとにかっこいいと思います。お前がナンバーワンだ

「寝起きも悪( わり) ぃし、基本⾯倒くさがりだし……ホント、たいしたことねぇヤツだって思ってたけど…… 」

「このうたた寝中に⾒た夢で、わりと頑張ってたことに気づいた。
なんだ、案外オレ、努⼒できてたじゃねぇかって」

「そんなオレの、ないに等しい伸び代を伸ばしてくれてたのは、いつもファラだったことにも、気づかされた」


今はすれ違っているけど、ファラちゃんがどんなに大切な存在か改めて知ることができたリッドさん。

ただの一般人がここまで頑張り続けて、大切な人と幸せになるため、最後に笑うために決意を固めるってこんなにまぶしいものだったんですね……原作でやって…………

ファラ編〜あなたの好きなもの〜

「リッドはなんでも"うまい、うまい"って
よく⾷べてくれる。だけど、ううん、だから、わたしはリッドの⼀番の好物をいまだ知らない。
物⼼つく前から、⼩さい村でほぼ毎⽇顔を付き合わせて育ってきたのにね」


最近リッドさんの食欲がない(当社比)ので心配しているけど、直接その理由を聞き出すことができないでいるファラちゃん。

せめて好きなものをいっぱい食べてもらおうと思って口から出た言葉が、リッド編の
「あ、リッド。⼀番好きな料理ってなんだったっけ?」だったんですね。


なおリッドさんの返事は前述の通り。テイルズオブエターニア、ままならねえことが多すぎる

まあ今こんなだからこそ、原作ラストでのETERNAL MINDが流れる中でのラシュアン戻ったら腹いっぱい食いてぇなファラのオムレツが光り輝くんですけど……

「でも、リッドは昔から⼀事が万事、こんな調⼦なんだよね。余裕があるの。
⼀⼈でなんだって出来るし、誰に頼らずともどんどん⼀⼈で進んでいける。
その余裕が、わたしはなーんか癪だったんだよねえ」


これ、リッドさんがレイスのことをなんでもサラッとこなす完璧超人として見てるのとどことなく似てる気がします。

リッドさんは内心ではたくさん迷ったり悩んだりしてるんだけど、ファラちゃんの前ではなかなかそんな様子見せないから、なんでも一人でやれちゃう余裕たっぷりの人間に見える。


キャラごとの視点を描くのがマジでうまいよなあと思います。作者の頭の中の設定じゃなくて、完全にキャラの視点なんですよ


ファラちゃんはリッドさんの余裕をなんとか崩したくてあれこれ勝負を持ちかけるけど全敗。時々リッドさんがわざと負けて花を持たせてくれるので余計ムキになって、どんどんエスカレートしていって、そして……

「⼦どもだったわたしは、星のカケラを取りに⾏かせたら、さすがのリッドも余裕をなくすだろうって、軽く考えてた。
まさかリッドがオバケ怖さにキールを付き合わせるとも、⽯取り競争のせいでラシュアンが全滅しかかるとも、思わずに」


最初は自分一人で星のカケラを取りに行こうとしていたファラちゃん。危ない場所にリッドさんやキールくんを連れて行くつもりはなかったんですよね。

でも、リッドさんがなにげなく言った「怖い」という言葉がきっかけで、リッドさんと石取り競争しようってなっちゃったと……


レグルスの丘でファラちゃんが言った「自分のワガママ」って、星のカケラが欲しかったからだけじゃなくて、リッドさんの余裕がなくなるところを見たかったからにもかかってたんだなあってこんな所で急にわからされることってある?


自分の意地とワガママのせいで村を壊滅状態に追い込んでしまって、自分の家族もリッドさんのお父さんも死なせてしまったファラちゃんは、もう二度とリッドさんと並ぶことは赦されないと考えるようになります。

「一人で乾いた道を歩いているような感覚」を絶望と評するファラちゃんが辛すぎる……

ネレイドの封印が解けたのはただの経年劣化だったんだけど、ファラちゃん達がレグルスの丘に行かなければ少なくともファラちゃんのお父さんは心配して丘にやってきてネレイドに取り憑かれて黒いお化けになってないんだよなあ……

軽い気持ちでやったことが取り返しのつかない悲劇を呼ぶって、現実にも起こりうることだからくっそ怖い

「リッドはあの惨劇でわたしと同じように両親を亡くして孤児になったけど、相変わらず余裕そうに⾒えた。⼦どもの頃からお⽗さんに仕込まれた腕をいかして猟師になって、焼け残った家を⼀⼈で修繕して、居⼼地よさそうに暮らしてた。
村の⼈にあれこれ⾔われたら、その都度ちゃんと謝って、理不尽な⽂句はさらりと聞き流して、誰にも迷惑をかけずに、⼀⼈で⽴ってた。
リッドが泣いた顔なんて、わたし、⾒たことないよ


たぶんここを読んでる読者の皆様の8割ぐらいはリッド編の感想を先に読んでると思うので、今から筆者が言わんとしていることもわかるかと思います。


リッドさん、全然余裕じゃないんだよなあ……

毎日生きるのに精一杯で、睡眠時間削って狩りの練習して、そんで君が穴だらけの家で一人で眠っているのを見てボロボロ泣いてるんだよなあ……


でも、ファラちゃんにとってはリッドさんの余裕こそが生きる糧になったんですよね。


相変わらず余裕綽々なリッドさんに施してもらってるようじゃいかんと立ち上がり、一から農作業を教えてもらって、家もちゃんと快適に住めるように直して、村の人達とも積極的に関わって、道場で自分の身を守る力も身につけた。

リッドさんも言ってたけど、ゼロから努力してここまでできるってほんとすごいよファラちゃん……


リッドさんが見てるレイスしかり、ファラちゃんが見ていたリッドさんしかり、物事って常に正しくは伝わらないんですよね。

それでも、間違って受け取ったそれがその人にとって良い結果を呼び寄せてくれることも少なからずあるんですよ。物質世界の醍醐味だよなあ

この良い意味でのすれ違いはこの下にあるキールくんとメルディちゃんのお話にも関わってくるので、頭の隅にでも置いといてくれると助かります。

「だから⾵晶霊の空洞でレイスに、"何から逃げている?"って聞かれたときは、本当に混乱したよ。
⾃分の⽴っている道が相変わらずからっからに乾いてることを、⾒抜かれた気がした。
嫌な気持ちにもなったけど、この⼈になら何もかも話せるとも思ったんだ。なのに……」


ファラちゃんのハイパー現実逃避を見抜いていたレイスは、ファラちゃんにとって初めての自分の罪をさらけ出せそうな相手だった。

でも話を聞いてもらう機会が来る前にレイスが死んでしまって、一方リッドさんはセイファートの試練を乗り越えてどんどん強く大きくなっていって、この時のファラちゃんっていったいどれほど孤独だったんだろうなあ……


リッドさんはレグルスの丘での出来事を知った後も、ファラちゃんが自分から言えるようになるまでいつも通り接してくれたけど、その気遣いはファラちゃんにバレちゃってたんですね。

ファラちゃんは自分の罪がバレちゃっていよいよ逃げたり隠れたりできなくなります。でも、レイスになら自分の醜い一面も見せられると思ったけど、リッドさんには嫌われるのが怖くてなかなか言い出せなかった……


リッドさんがファラちゃんの人生の中でどれほどの割合を占めてるのかがこの言葉からめちゃくちゃ感じ取れる。

ファラちゃんがレイスになら打ち明けられるかもって思ったのは、レイスが初対面からファラちゃんの闇を見抜いていたからなんですよね。

自分がきれいな人間じゃないとレイスは知ってるから、安心して自分の醜い面もさらけ出していけると思った。一方レイスは現実逃避のためとはいえ身分や国の決まりガン無視で世界を救うために行動できるファラちゃんをめちゃくちゃまぶしく思っていたというこの初対面で飛び交うべきではない物量のクソデカ感情よ


リッドさんにはずっと闇を隠して生きてきたから、今になってさらけ出して嫌われるのがほんとに怖い。だって小さいころから張り合ってきたのもリッドさんだし、惨劇の後の生きる原動力になったのもリッドさんなんですよ。リッドさんが側からいなくなるってことは、ファラちゃんにとって人生を構成するものが丸ごとなくなるってことなんです。

リッドさんとファラちゃんのお互いが欠けたら情緒不安定になるあの危うい感じはまさにここから来てるんですよ。


どうすればいいか迷ったファラちゃんは、セイファートに道を示してくれるよう祈ります。リバヴィウス鉱の話が出たのはちょうどその時だったんですね。

「道は⽰された。もし本当のわたしを⾒せて、リッドに嫌われたとしても、確実に世界を救う⼿伝いはできる。
いろんな⼈を救えるんだ。しあわせになってもらえるんだ。
その選択は、もう本当の気持ちから逃げた⾃⼰犠牲じゃない。
永遠に敵わないと思ったリッドの⼒になれる。
胸をはって隣に並べる。
わたしは⾜元の乾いた道に潤いが戻ってくるのを感じた。
そして、⾃分の⼼に満ちるものを"希望"と呼ぶんだと知った時、わたしに迷いはなくなった」


星のカケラが世界を救うカギだったことで、罪の告白は未来に繋がる大切な一手になった。

リッドさんに嫌われるのがあんなに怖かったのに、それでも力になれるなら、みんなを救えるならって決意できるファラちゃんの勇気がすごいですよね。

ファラちゃんにとっての希望はリッドさんの隣に立てること……とても……とても良い…………

「今のわたしに、リッドと張り合う気持ちはない。
もう張り合わなくても⽣きていける。
今のわたしは、むしろリッドに…… リッドのことが……」


幼いころの競争心がだんだんと別の感情に変わっていく様子っていいものですね。

ファラちゃんの場合過程が死ぬほど重いけど、最後には希望を持って前に進めるのがとてもとても好きです。応援してるぞ……

キール編〜ぼくと未来へ〜

「レグルスの丘でファラが懺悔した時、ぼくは少し後ろめたかった。ファラやリッド同様ぼくにとっても、ラシュアンの惨劇は⼈⽣の転機になったが、⼆⼈と違って、ぼくはその転機を好機と受け⽌めて⽣きてきたからだ」


キール編の前半では、キールくんが心に抱えて生きてきたコンプレックスについて語られます。


運動が大の苦手で体力も貧弱なキールくんはリッドさんやファラちゃんと同じ遊びができず、遠回しに遊びに混ぜてもらえないことが多くなっていきました。

身体能力お化けのリファラちゃんについていくなんてどだい無理な話なんだよな


キールくんはこれを「みそっかす扱い」と語っています。

ラシュアン組のどことなく古くさい言い回しほんとすきっていう話は置いといて、みそっかす、つまり幼なじみと対等になれない子どもがキールくんだったんですよね。

ファラの考え出す遊びはいつもあれくらい難しくて、だからこそ、楽しかった。ただ、ぼくの体⼒に釣り合ってなかったというだけの話


ラシュアンの惨劇の後、キールくんが村の人に責められることを危惧した彼のご両親は、夜逃げ同然にキールくんを村の外へ連れていきます。キールくんほんと愛されてるんだよな……

夜逃げ同然の急な引っ越しで、リッドやファラに挨拶することも叶わなかった。
もっとも、当時のぼくは別に彼らに挨拶したいとも思ってなかった。みそっかすがいなくなれば、彼らはむしろ遊びやすくなって嬉しいだろうと、そんなふうに考え、いじけてた

この言葉がラシュアンの惨劇直後の心情なんだから頭を抱えてしまう


リファラちゃんは別にキールくんに対していなくなって嬉しいとか思ってないんですけど、やっぱりキールくん本人からしたらそういうふうに考えてしまうよねというこの……なんて言ったらいい……?


普段なにげなく言われてたおせーなとかここで待っててねとかそういう言葉が積もり積もった結果がこの気持ちなんですよね。

リファラちゃんとキールくんは幼なじみではあるんだけどなんとなく見えない壁があって、壁を壊す機会がないままお互い成長していくんですよね。だからこそ初登場時のあの冷めた対応よ


ラシュアンでも引っ越し先のミンツでもみそっかす扱いされていたキールくんの転機となったのは図書館との出会いでした。

どんなにゆっくりページをめくったって、誰にも"ノロマ"とは⾔われない。息が切れることも、⾜を挫くこともない。なんて楽しくおもしろい遊びなんだと、驚嘆したよ。


体を動かす遊びにばかり触れていたキールくんが初めて出会った、体力を使わなくても楽しめる遊び、それが読書。

キールくんの中に埋もれていた学者としての才能が、ここでついに掘り起こされます。


大学に行くと決めたのも、もっと本を読みたい、自分と同じように本を読むのが好きな人と出会いたいっていう気持ちからだったっていざ明言されると、少年の純粋さに天を仰いでしまうね……

実は大学でも一部の友人以外からはハブられてたりしたんだけど、それを思い返して笑える今のキールくんがまぶしい


ただ、急速に才能を花開かせてぐんぐん自信をつけていったキールくんはやがて自説を絶対曲げない頑固者になり、ついには大学を追放されてしまいます。


魔物がウヨウヨいる岩山の観測所まで一人でどうやって行ったのかは原作ではホーリーボトルめっちゃ使って頑張ったとしか出てこないんだけど、このオーディオドラマでほんのちょっと登山シーンが出てくるだけで驚くほど鮮明になるね……

ぼくの明らかに拙いメルニクス語を聞いても、メルディは笑わなかった。バカにした素振りもなかった。
ぼくがどれだけ疎んじ、遠ざけようとも、
アイツはただニコニコして、⼈懐っこくそばに寄ってきた。
アイツは…… メルディだけは、ぼくを⼀度もみそっかす扱いしなかったんだ


キールくんがメルディちゃんに少しずつデレていく裏でこんなことを考えていたなんて……


大学という自分が輝ける場所を失い、自分が運動が苦手で貧弱だという現実を突きつけられるリッドさん達との旅が始まり、そんな中で唯一対等に接してくれるのがセレスティア人のメルディちゃんってすごい運命だよな……そりゃデレもするわ……


メルディちゃんにだんだん心を開いていく中、アイメンの図書館で、キールくんはメルディちゃんから「怖いモノに心を取られちゃう病」の話をされます。

メルディちゃんは「知り合いはいつその病になるかとビクビクしてる」って言うんだけど、本当は……自分自身のことなんだよなあ……


この時のキールくんはそんなこと知る由もないので、いつものノリでビッグマウスを叩きます。

未知はいずれ既知となる。たとえここの図書館中の本に正解がなくても、⼈には得た知識を利⽤して考える⼒があるからな。既知となれば、研究ができる。研究すれば解決策も⾒えてくる。
つまり、未知の病だって治る病となるはずさ。それが、⼈が未来へ向かう意味なんだ


キールくんは後にメルディちゃんがネレイドに侵されそうになっていることを知ってこの時の発言を自嘲するけど、メルディちゃんにとってはこの言葉が生きる希望になっていたというのが良すぎるんだよなあ……

「メルディ、がんばれ。ぼくが助けてやるからな。もうちょっと耐えろよ…… 」

ぼくが船酔いに苦しみつつ、こっそり研究を
つづけているうちに、船はティンシアに着いたようだった

ぼくが船酔いに苦しみつつこっそり研究をつづけているうちに???


おまっ……もう……お前さあ〜〜!なんでそう隠れたところでそんな頑張るの!?そのデレをもっとわかりやすく出すことはできんか?

彼が素直になるのは原作のあのシーンまでお預けですね。

もしここまでガッツリこの記事を読み込んでいて未プレイな方がいたらぜひエターニアやってください。後悔はさせないので……

メルディ編〜いつか見た夢〜

「メルディ、眠ること、ずっと苦⼿だった。眠ると、怖い夢を⾒るからな」

このお話の冒頭では、メルディちゃんの過去のトラウマが簡潔に、しかしめちゃくちゃ生々しく描写されます。エグい……つらい……


ところどころ省きながら台本引用↓

「きゃあああああっ」

「ナニモノかに追われ、⼭を逃げる夢」


「助けて、助けて、助けて…… 」

「ナニモノかが、町に爆弾を落とす夢」


「く、苦しいな。や、めて」

「ナニモノかに、海に沈められる夢」


「やだよぅ…… メルディがこと、実験しないで。ビリビリ痛いの、やだよぅ」

「ナニモノかに固いベッドの上に縛り付けられて、電流に打たれる夢」

「ぎゃあああああああっ!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、おかーさーんっ」

きっっつ…………メルディちゃんこの時年齢一桁なんですが……


それでね、これ台本だから声とかSEの指定もあるんですよ。

SE:海面を手でたたき、もがく、とか、(半泣き)、とか書かれてて、実際メルディちゃんの声も迫真なんですよ……最後の絶叫が特にやべえんだ……


これ前3つは実験されてた時というよりも脱走して連れ戻された時って感じがするなあ……


闇の極光の実験って、いったいどんなことしてたんでしょうね。

実験台でビリビリのやつみたいな科学な感じの実験が多そうだけど、シゼルが極光に目覚めたのがバリルを殺されて自分達も撃ち殺される!って時だったので、わざと危険な目に遭わせてフィブリルを呼び覚まそうとしたりとかもあったかもしれないなあなんて……


ここのシーン聴いて原作のキャンプスキットを2個ほど思い出したんですよ。


1個目が、村を出たばかりの頃、リッドさんがメルディちゃんを起こそうとしたらメルディちゃんが飛び起きてメルニクス語で謝りながら抱きついてくるやつ。

あのスキット、リッドさん達に置いてかれる(見捨てられる)のが怖くて謝ったんだと思ってたんですけど、もしかして寝ぼけて夢の中で見たシゼルに謝ってたんじゃ……


2個目はレイスとふたりで眠っているファラちゃんを見ながら話してるやつです。

お母さんの夢を見ているファラちゃんを見て、レイスはきっといい夢だろうなと言う。でもメルディちゃんは、おかーさんの夢はいい夢か?って……聞くの……


お母さんが世界で唯一の安全地帯なレイスと、お母さんが世界で一番恐ろしいメルディちゃんの対比が……エグい……エグいんよ……


インフェリアに行く時もドキドキしたけど怖くはなかったっていうのがまたきついですよね。未知の異世界よりもかつて一緒に暮らしていたお母さんのほうがよっぽど怖いってそれなんて地獄?

キールが良さは正直なところ。怒るも喜ぶも悲しむも、全部ホンモノの気持ち。キールが⼝からは、⼼のままの⾔葉しか出ない。メルディ、悲しいときほど笑うから、泣きたいときほどふざけるから……
キールの正直さ、とてもいいと思ったよー」


このセリフをふまえて原作をやり直したら私はどうなってしまうのでしょう(膝から崩れ落ちる効果音)


素直じゃないことでおなじみのキールくんを正直と評するメルディちゃん。確かにキールくんは素直じゃないけどわかりやすいもんな

キールくんが自分に冷たかったこと、出世道具として利用するつもりだったこと。それをわかっていてなおこの言葉が出てくるんですよ。自分の気持ちを素直に出せる人間への憧れってやつだよなこれ


メルディ編でもキール編で出てきた「怖いモノに心を取られちゃう病」の話があります。

この時キールくんが言った「未知はいずれ既知となる」という言葉は、キールくんにとってはなにげなく語ったいつもの大言でも、メルディちゃんにとっては自分の体質と向き合って未来のことを考えて生きるための希望の光だったんですよね。


正直者のキールくんが言うからこそ、本当になんとかなるんじゃないかって思えるんだよなあ……

キールくんはメルディちゃんがあくびしたのを見て呆れてたかもしれないと思っていたけど、メルディちゃんの反応はむしろ呆れとは真逆なんですよ……

悲しいときに笑って、感動したらあくびが出ちゃうんだよぅ、メルディは


この後、朝寝てるキールくんの「長くてきれーな睫毛」を見てあくびが出るメルディちゃんから恋心のもとのようなものを感じるのもいいですね……

メルディちゃんにはまだ恋ってものがどんなかわからないと思うんですけど、言葉にできないなにか暖かいものの芽生えを感じてとても……よいです……


キールくんがメルディちゃんの体質について気づいていることをわかってて心配をかけまいと頑張るメルディちゃんがほんと健気なんですよ。

旅を経てメルディちゃんにできた「シゼル以上に怖いモノ」をぜひ皆さんにも知っていただきたいですね。台本読まない?ドラマ聞かない?

チャット編〜海賊船とすきま風〜

「⾃分の座っていた椅⼦を解体したことです。両親によると、バラバラになった椅⼦から落ちて、床に頭を打ちつけた幼いボクは、笑っていたそうです」


物心ついた時から機械いじりが大好きだったキャプテン。夢も今と同じで、バンエルティア号に乗ってエターニア中を冒険し、大海賊アイフリードの遺産をすべて手に入れること。

発明に何度も失敗しながら夢に向かって頑張るキャプテン、ほんとに一直線って感じだなあ……

そんなボクに対し、両親はいい顔をしませんでした。学校に⾏けとか、友達を作れとか、海賊の⼦孫だとあまり触れまわるなとか、機械いじりなんて油臭い趣味はやめておけとか…… くだらないお⼩⾔ばかり。


原作でも両親に反対されてたとスキットで語っていましたが、やっぱりこれってキャプテンのことを心配してるんですよね。愛なんですよ。


アイフリードの遺産であるバンエルティア号をキャプテンが手に入れるまで整備していたのはご両親だし、サブイベではアイフリードの隠しアジトに試練という名の計算ドリルを用意してるし、キャプテンのご両親って実はアイフリードのこと尊敬してるしアジトにもそれなりに詳しいんですよね。


キャプテンは昔から体が弱くて体格も良くない女の子だし、アイフリードには原作の幽霊船イベでキールくんが言ってたように残酷な海賊だったって噂もある。

キャプテンが冒険の途中で倒れたり人からいわれのない誹謗中傷を受けて傷ついたりしないように守りたくて、彼女の夢に反対してるわけです。

でも幼いキャプテンにはそんな親心は伝わらなくて、「理解のない両親」はあまりいい印象を持たれていない。ままならねえなあ


キャプテンが最初は動物を怖がってなかったっていうことがわかる一幕もあるのが意外ですね。直後に一生ものの苦手な存在になるけど

やっぱり毛が機械に絡まっちゃうのがダメなのか……

「さびしさがどういう感情なのかわからないので、おそらく感じたことはないと思います。喋りたいときは、アヒルの⼈形に話しかけますし、不安なときは、海賊帽⼦をかぶれば落ち着けます。
変圧器の等価回路の構成法みたいな趣味の話をする相⼿なら、⼿紙という少々⼿間のかかる⼿段ではありますが、
⽂通相⼿のキミがいますから。友達は間に合ってます」


ずっと小屋にこもって一人で暮らしているキャプテンに、文通相手が寂しくないのかたずねた時の返事がこちら。

本当に孤独な人は一人でいる時しか知らないから、側に誰かいなくても寂しさを感じることがない……クレストリアのヴィシャス兄貴で去年浴びたやつだこれ


ヴィシャニキの話は今回は置いといてキャプテンの話。

ある時たまたま近所の子ども達に出会ったキャプテンは、そこで生まれて初めて普通のこどもらしい遊びを楽しみます。

でも、小屋のしかけやトラップでひどい目に遭った子ども達は、その後二度とキャプテンの所へ遊びに来ることはありませんでした。


キャプテンの心に残されたのは、誰かと一緒に過ごす楽しさと、遊びに来た子ども達を泣かせてしまった苦い思い出と、これからはまたひとりぼっちの生活に戻るという事実だけ……


初めて感じる寂しさを、胸に吹くすきま風と表現するキャプテン。

念願かなって冒険に出られるようになったけど、そこにあったのは大冒険への期待ではなく「一人じゃ嫌だ」という寂しさだったというのがなんとも……


冒険に出て夢を叶えても、側で一緒に喜んでくれる人は誰もいない。そんな光景を想像しちゃったんだろうなと思いますね。


ちょうどその頃キャプテンのもとに現れたのが、いかにも怪しそうで、でもとてもにぎやかで、そして一緒にいられたらすごく楽しそうな、そんな人達だった。

ほんとは友達がほしかっただけなんだけど、なんて言えばいいかわからなくて、「子分になることを許可します」なんて言っちゃったという本音と合わせると、原作で小生意気に感じた出会いのシーンも見え方が変わってきますね。

オーディオドラマ、実質セイファートの試練説


にぎやかな仲間達と冒険の旅に出たキャプテンでしたが、レグルスの丘でメルディちゃんがネレイドに乗っ取られかけた事件がきっかけで「仲間への恐怖」を覚えます。

今までは楽しいことがメインだったけど、急に仲間のマイナス面を強烈に浴びせられたキャプテン。


それまで見てきた仲間ってなんだったのか?本当は自分が知らない、別人のように恐ろしい一面があるんじゃないか?

初めて仲間を得た喜びと、初めて感じる仲間への恐怖。今安心してふれあえるのは、ずっと側にあった偉大なるアイフリードの海賊帽だけ。


ここからリーディングライブの海賊帽飛ばされちゃった事件と、それを通じて仲間達の心が再び一つになっていくところに繋がっていきます。

もし興味が湧いたなら今年の夏に発売予定のリーディングライブ映像をぜひ見てくださいお願いします

フォッグ編〜つづれ織りの旅路〜
開幕フォッグさんの「ヴァンスゥゥゥゥッ!」っていう絶叫からスタート。リッド編にも登場する謎の叫び声

一人になると時々ヴァンスの幻影を見るというボス。

ここで思い出しました。ヴァンスって戦争の時ボスをかばって死んだ友達の名前だわ……ボスの奥さんとも仲良かった人…………

ということでフォッグ編はボスの過去話です。

今は亡き親友ヴァンスと家出中の妻リシテアとの出会いやシルエシカ結成の理由が描かれてる。こんなところでひっそりと公開していい話じゃねえ


最期の瞬間ヴァンスさんが笑っていたっていうの、なぜかボスの口から聞く前に想像できました。優しい笑顔で死んでったんだろうなあ……


オーディオドラマは主役となったキャラの一人称で進んでいくので、このフォッグ編もボスが思い出を語るような感じで進んでいきます。かつてない量の言葉を喋るボス

アレとかソレに隠されたボスの思いが具体的かつダイレクトに伝わってくるのが未知の味だ……

「若い頃は今以上に無神経で、人を怒らせることも多かった俺さまだが、その日もケンカに巻き込まれ、酒場から雨の中に蹴り出された。おぅ、寒い日だったぜ。雨ごときで風邪を引くようなヤワな体じゃねぇが、"だいじょうぶですか"と声をかけられて、嬉しかったのは事実だ」


こういう感じでボスの心情がかなり細かく描かれてる。 

いつもおぅとかそんな感じですませてたまーに少し長めにしゃべるぐらいのボスからはここまではなかなか読み取れねえよ……むしろこの話に関しては今初めて聞いたよ……発売から何年経ってると思ってるんだマジで

「特にやりたいこともなく、生まれ育った町を出たことも、出たいと思ったこともなかった俺さまは、二人の旅の話がおもしろくてな、その晩は図々しく彼らの宿に泊まって一晩中語り明かしたもんだぜ……
いや、アレだな。正確には、アイツらの話を聞き倒したもんだぜ。それで、翌朝にはもう心を決めてた」

「おぅ。俺さまも旅に出るぞぅ!」


昔のボスはただなんとなく生きていただけで、夢も野望も持っていなかった。そんなボスが大きな夢を持って旅をしているヴァンスさんリシテアさんと出会い、彼らの旅についていく。

今のブレない理想を持ったボスからはまったく想像できませんでした。あなたにもそんな時代があったの……

旅の中でリシテアさんに惹かれていきヴァンスさんからも何度も告白を勧められるけど、結局告白できないままの奥手なボスも新鮮。やっぱり口下手なのか

いざという時の決断力と行動力は、今も昔も変わらないみたいですけどね。

「世界をまわり尽くす前に、転機が訪れた。
ギリアムの暴挙によって、セレスティア全土の治安が乱れ、とても旅なんてできる状況じゃなくなったのよ。
もともと平和とはいいがたいセレスティアだが、このときは酷かった。
このままではヴァンスの夢も、リシテアの生きがいも、立ち消えになっちまう。俺さまは考えた。おぅ。一生分の脳ミソを働かせたぞ。それで、決めたんだ」


特に夢も持たずその場その場で生きてきたフォッグさんが始めて持った夢が、荒れたセレスティアを統一して、ヴァンスさんとリシテアさんが再び夢を叶えるための旅に出られるようにすること。


シルエシカ誕生秘話良すぎるだろ……


原作のスキットでは自由な闘争ができる世界のためって言ってたけど、暴君の圧政をなくしたいってことなんだろうか……

ヴァンスさんが亡くなってリシテアさんもいなくなってしまった今でも、フォッグさんの心の中にあるのはふたりと自由気ままにセレスティアを旅をしていた時のキラキラの思い出なんだろうなあ


ペイルティの海戦前夜にリシテアさんが伝えたミアキスに恥じぬ戦いを」って言葉、リーディングライブのリシテアさんの伝言じゃん……リーディングライブではこの言葉を聞いてリッドさんにメッセージを伝えた画家がリシテアさんだって完全に確信したんだなとわかる


実はヴァンスさんもリシテアさんが好きで、でもリシテアさんはボスが好きなこと、いつまでも告白しないボスにしびれを切らして昨晩求婚したこと、フラれてしまったこと。

生きて帰れるかわからない激しい戦いの中で語るヴァンスさんはどんな気持ちだったんだろう

ヴァンスさんはボスに対して怒るでもなく悔しがるでもなく、ただボスに謝って、最期までボスとリシテアさんの幸せを考えていた。ほんとに器のデカい男だなあ……


ヴァンスさんの死後に彼の遺志を尊重してどちらからともなく夫婦になった二人だったけど、そんなくっつき方じゃいくら両想いでも長くは続かなくて、原作のリシテアさん家出状態へ。

愛し合う気持ちは本物なんだけど、ヴァンスさんを理由にするんじゃなくお互いを理由にするために一度離れるって、難しいけど必要なことなんだろうなあと思います。正しいくっつけ方をするために離れるみたいな感じ


フォッグさんは今でもリシテアさんがいつか気持ちの整理がついたら帰ってくることを信じていて、その時ちゃんと自分の口から愛の言葉を伝えるために世界を救うってめちゃくちゃいいよな……これも大切な人のためだったら人はいくらでも強くなれるってやつだよなあ


今回はここまでです!

最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m